目指すもの

はじめまして。くらしのあーと研究会です。

私たちは、日常を豊かにするための創作活動に取り組む研究会です。自然やモノづくりが好きな者で集まり、語らい、その価値感を共有する機会を作りたいという想いで立ち上げました。

くらしのあーとは、創作を通して自分を表現することを目指しています。自分のまだ知らない一面を発見したり、隠れていた感性に耳を傾けたりするプロセスを通して、暮らしを豊かにしていくことを大切にします。

朝起きて、お手製のマグカップでコーヒーを飲んだり、花瓶に花を生けたり、マフラーを巻いたり。そんな些細な瞬間の積み重ねが、生活全体を豊かにしてくれるように思うのです。

世界に一つしかない自分色のアイテムと触れ合うと、いつも通りの日常がなんとなく気持ちの良いものになります。

くらしのあーとの創作は日常のための創作表現であり、職人さんが作るような整った作品を作る必要はありません。

どんなにへんてこな形や色でも、自分が楽しめていればそれだけでいいと思うのです。

子どものように、好奇心にまかせてわあーっと創り始めることが出来る人は、とても幸せだと思います。

でも、大人になるにつれて
「教科書を買って決まりやルールを勉強しなきゃ」
「恥ずかしくないものを作らなきゃ」
という規範意識が先行してしまい、なかなか創り始めることが出来ないことがよくあります。

くらしのあーとでは“決まり”や“ルール”はありません。決め事があるとすれば、「自分をありのままに表現すること」です。

「自分をありのままに」というのは、簡単なようでとても難しいことだと痛感しています。私たちは、「我を出さずに周りに合わせて行動しなさい」と小さい頃から教わってきました。それは社会生活においてはとても大切なことです。

でも「人生」という大きな枠組みで考えたとき、いつも自分の気持ちを押し殺して生きることは大変つらいことだと思います。

「自由」という言葉は、捉えどころがなくてぼんやりとしています。例えば、作品に出来てしまった傷や歪みをどのように見るかで道が大きく別れるような気がします。

そのまま「傷物」と捉える人もいるし、「オリジナルな証」「手作りの味わい」と捉える人もいます。ある出来事に対して、それをどのように見て考えるか。これは自由ではないだろうかと思うのです。

創作を通して、ありのままの自分を形にする。そうすると、他の人ともつながることが出来るような気がします。自分を押し殺した状態で、相手に心を開くことはとても難しいです。自分を開いて初めて、相手も心を開いてくれると思うのです。

世界中でたった一人でも、心から打ち解け合える人がいれば、それはとても幸せなことだと思います。そんなふうに、自分自身や他人とつながることが出来たら素敵です。

布一つ、マグカップ一つでも、それぞれが創る作品の形や色は本当に多種多様です。「ワタシとアナタはこんなにも違う」と驚き、そこに面白みを感じることができます。

創作においては、何よりも“多様性”を大切にしたいです。多様性こそが“あーと”ではないかと思うのです。

くらしのあーと代表 松本